元九州大学大学院教員▶総合型・推薦型・編入コンサルタントのヨコガワです。

前回の記事で、志望理由書には

  • アドミッション・ポリシーとずれていないか
  • 入学後にどんなことを学びたいのか
  • 具体的な目標ややる気があるのか

を大学が確認するためと書きました。

あなたは、なぜこのような内容を書くべきなのか、きちんと説明できるでしょうか?

私が指導した学生で最初からこれをきちんと理解して書いてきた学生はまだ誰もいません。

だから、何が言いたいのか、なぜその大学に入学したいのかわからない志望理由書を書いてしまうのです。

でも安心してください。 その理由を知ることで理解することができますよ。

アドミッション・ポリシーとずれていないか

大学が提示しているアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針・求める学生像)は、どんな学生に入学してもらいたいかを明確にするものです。

例として、国公立と私立大学を1校ずつ紹介しておきます。

岐阜大学(学部)は以下のように提示しています。

岐阜大学は,自然豊かな1つのキャンパスで,幅広い分野において「学び,究め,貢献する」人材を育てます。
 大学での学修に必要な基礎知識と技能を備えており,次のような人の入学を期待しています。
 1.知的好奇心にあふれ,自ら進んで学ぼうとする人
 2.さまざまな見方や論理的な考え方ができる人
 3.相手の意見を聴き,自分の考えを伝えることができる人
 4.積極的に課題を探求しようとする人
 5.これからの地域や国際社会で活躍したい人
 また,各学部でもそれぞれ教育研究の理念や目標を掲げ,後述のように,入学する学生に対してもアドミッション・ポリシーを提示し,そのような学生を積極的に受け入れるための多様な入試方法を取り入れています。



https://www.gifu-u.ac.jp/admission/f_applicant/policy.html

近畿大学は、

  本学の「建学の精神」と「教育理念」に共感する入学者を国内外から広く受入れます。

1. 本学が求める基礎学力と倫理観を備える人。

2. 謙虚に学ぶ姿勢を有するとともに、自ら課題を発見し解決していく意欲にあふれる人。

3. 「人に愛され、信頼され、尊敬される」前に、まず人を愛し、信頼し、尊敬することのできる人。

4. 社会のニーズに対応できる実学や教養及び国際性を身につけたい人。

5. 自分の得意分野を伸ばし、社会に貢献したいと考える人。


https://www.kindai.ac.jp/about-kindai/principle/policy/

  このように、似た内容もあれば独自の内容も含まれています。

おすすめは、あなたが志望する大学や学部だけでなく、他の大学のアドミッション・ポリシーも見て、比較してみましょう。

そうすると、志望校がより期待する人物像を知ることができ、志望理由書を書きやすくなりますよ。

入学後にどんなことを学びたいのか

総合型や推薦型選抜の対象者は、

  • どんなことを学びたいのか
  • なぜこの大学・学部で学びたいのか

がはっきりしている人です。

ですから、大学もこれがはっきりしているかどうかを採点基準にしています。

ウエイトも大きいです。

今までどんな経験を経てこういうことを学びたいと考えるようになったのか、

そして学んだことをどう生かそうとしているのかを、

採点官(大学教授)が納得できるように書かなければなりません。

そのためには、

  • 具体的なエピソードやその時に感じたことや考えたこと
  • 志望校で学ぶことができる専門分野

が結びつくように、必要な情報を整理し、適切な順番で(論理的に)説明する必要があります。

いきなり書くのは難しいですが、あなたのこれまでの経験を思い出し、順を追って整理しながら書くと良いでしょう。

ちなみに、志望理由や自己推薦ですごい実績を書かなければならないと思っている人が多いのですが、それは間違いです。

はっきり断言できます。

私が指導してきた学生にはそういう実績を持っていた人はいませんでしたが、しっかり合格を勝ち取っています。

いわゆる一芸入試なら効果があるかもしれませんが、通常のA総合型・推薦型選抜では求められていません。

唯一の正解は、あなたがなぜその大学・学部で勉強したいのかをしっかり伝わるように書くことです。

具体的な目標ややる気があるか

大学校舎

上で書いたことと一部重複しますが、

  • 大学に入ってから何を学びたいか、どんな活動をしたいか
  • 大学で学んだことを生かして、どうなりたいか(将来の夢)

も、志望理由として求められます。

ただし、後者はそれほど重要でないこともあります。

これが一番難しいかもしれません。経験していないことを書くわけですから。

大学での学びは教室で授業を受けるだけではありません。ゼミや大学の外の人達とのつながりをもって様々な活動をすることでも学ぶことができます。

また、あなたが興味のあることを主体的に学ぶ、探究することもできます。

これらをできる限り具体的に書くと良いでしょう。

あなたの理想で構いません。先輩や大人から聞いた学生生活を参考にすると良いでしょう。

多少の間違いや大きい理想でも構いません。まだ経験していないことを書くわけですから、採点官も大目に見てくれます。

でも、大学で学びたいことやこれまでの経験と関連している必要があることは覚えておいてください。

わかりやすくするために極端な例でいうと、

医学部志願者がシェークスピアを読破したい

という内容ではさすがに合格はできません。

この例は極端としても、大学でやりたいこと(や将来の夢)と志望する学科で学ぶことがバラバラな志望理由書は意外と多いものです。

あなたも書いた後に見返して、人に見てもらって確認するようにしましょう。

ちなみに、やる気があることを示すには

「やる気はあります」「頑張ります」のように言葉で書くのではなく、

上で説明したように、具体的に書くことや実際の行動で示さないと、採点官にはやる気があると思ってもらえませんのでご注意を。

まとめ

志望理由書には

・アドミッション・ポリシーとずれていないか

・入学後にどんなことを学びたいのか

・具体的な目標ややる気があるのか

が、採点官に伝わるように論理的に書くことが必要です。

そのためにはあなたがこの大学に行きたいと思った理由を具体的に書くことが正解なのです。

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 2019年11月12日追記
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